英語教育を取り巻く変化
英語教育を取り巻く加速度的な変化について
本ページでは、英語教育を取り巻く加速度的な変化を、主に高校入試及び大学入試の視点から3項目ご説明します。
- 入学試験の難化
- 英語4技能の必須化
- 外部検定活用の拡充
保護者の皆様が受験された時代とは大きく様変わりしていますので、ご一読いただければ幸いです。
①入学試験の難化
入試における英語の難化を示すデータは各種存在しますが、学習指導要領に基づき高校までに学習する語彙数が一例として挙げられます。以下のグラフに示す通り、2020年代に高校まで学習する語彙数(4,000~5,000語)は、それ以前に比較して大きく増加しています。
本グラフでは、2022年度の共通テスト及び難関大学入試に出現した語彙レベルも示していますが、いずれも学校で学ぶ語彙数を超え、6,000語~8,000語となっています。これだけの語彙数を使えるように身につけるというだけでも、いわゆる受験勉強に1~2年程度取り組んだだけでは太刀打ちできないことが理解できます。
さらに、入試で実際に出題される語数は、過去30年で約3倍に増加しているといわれます。これはすなわち、従来の3倍の情報処理能力が必要とされていることといえます。
②英語4技能の必須化
文部科学省の英語教育改革の目玉は、リーディング,ライティング,リスニング,スピーキング(コミュニケーション)の英語4技能をバランス良く育成することにより、使える英語力を養うというものです。
これに伴い、英語4技能を測る外部検定を大学入試に採用する計画でしたが、これは延期となりました。しかしながら、英語4技能を強化し、その実力を測る方向性に変わりはありません。「③外部検定活用の拡充」に示す通り、個別の高校や大学がそれぞれの入試において外部検定を活用する動きが広がっています。
自治体レベルでも、例えば都立高校の入試において、スピーキング試験が開始されました。
③外部検定活用の拡充
英検Ⓡなどの外部検定で上位資格を取得することにより、英語科目の加点や試験免除などの優遇措置が受けられる高校や大学が増え続けています(大学の場合過去5年間で倍以上の増加)。下表は、2022年度大学入試において、英検Ⓡ取得級毎の活用採用大学数を示したものです。
英検取得級 | 得点換算/試験免除 | 加点 | 判定優遇/合否参考 |
---|---|---|---|
準2級 | 43校 | 84校 | 66校 |
2級 | 87校 | 101校 | 73校 |
準1級以上 | 105校 | 105校 | 74校 |
一方、外部検定資格の取得を出願資格とする大学も増加しています。以下は、2022年度入試で一部の学部または全学部で英検Ⓡ取得を出願資格とした主な大学です(※ 同じ大学でも学部や選抜方法により要件は異なりますのでご注意ください)。
(点数は英検CSEスコア)
志望する大学・学部が英語外部検定の出願資格を設けている場合、これをクリアしなければ受験すらできません。また、現時点でこのような出願資格を設けていない大学であっても、今後設けられる可能性があります。従いまして、外部検定で上位の資格を獲得できる英語力を早期に身につけておくことが望まれます。